金融業界Blog

金融業界Blog 金融に関する情報を発信する社長ブログ 東京キャリア・サーチ代表取締役社長 藤原道雄

証券優遇税制について

2007/09/27

株式譲渡益と配当課税への優遇措置は本来の税率は20%だが2003年の株価テコ入れ政策として、その税率の半分の10%に軽減して現在まで延長されてきている経緯がある。
目先の適用期限が2008年度末までに迫ってきており、その延長問題の行方が注目され始めて来ている。
自民党内には株価とそれによる経済への影響を懸念して優遇税制延長を求める声が強くあるが、現下の参議院での与野党勢力の逆転で方向性に不透明感が増してきている。

かつて、1989年に40000円近くまで行った日経平均株価を顧りみ、現在のその半分まででもない平均株価を考えれば、まだまだ証券優遇税制の株式市場、ひいては経済活動全般への影響の重さから引き続き延長となることを期待するものです。

IPOの現状(今年度上半期)

2007/09/23

今年度上半期のIPO(新規株式公開)のデータを見ると社数が50社と前年同期の83社に比して4割減で、上場後初値が公募価格を下回った会社が3割で、現在値では6割を超す銘柄が公募価格を下回っている状況である。

ジャスダック、東証マザーズ、大証ヘラクレスといった新興市場が年初来安値を伺う展開となっていることもあり、また、世界的な信用収縮の余波もあり、ある面では仕方ないかなと思うが、問題は市場環境だけではないとも言えそうである。
すなわち、公募価格を決める際の企業側、株主側等の利害関係も絡んでの価格設定の「無理」な側面もあるのではと思える。私も山一證券時代に、IPOの公募価格設定で関係者間での苦労を経験した者としては理解はできるが、主幹事証券の力量が問われる大きな部分であるので投資家の立場も慎重に考慮したものを期待する次第です。

そんなIPO市場で注目されているのが、10月11日に予定される、ソニーフィナンシャルホールディングの上場です。公開規模は3000億円超となり今年最大規模でもありますので、投資家心理の改善につながるような結果になることを切に期待する次第です。

今期、弊社でお世話した公認会計士の方たち数名も現在、大手証券会社でのIPOの現場でご活躍されていることもありますのでIPO相場の改善を心より願う次第であります。

不動産ファンドに転機か?

2007/09/22

大都市部の地価上昇を牽引してきた不動産ファンドの「変調」が目立ってきている。

サブプライムローン問題に伴う信用収縮の余波がジワリと影響してきて銀行の融資姿勢が厳しくなってきており、大手銀行が融資をせず、開発が流れる事例が相次いでいるとのことだ。
金融庁が不動産融資の審査を厳格化していることも銀行の融資姿勢を慎重にしているとのこと。

今後、影響が広がりそうなのが不動産開発で多用されているノンリコースローンだ。
その証券化商品のCMBSへの投資も投資家が慎重になってきており、スプレッドが、じわりと拡大してきているのも懸念されるところだ。

外国人が主要投資家になっているREITも時価総額がピーク比3割減ってきている。
外国人投資家はサブプライムローン問題での信用収縮で、本国で損失を被り慌てて日本のREITを換金売りしているとも推測されている。
ただ、外資の一部では「他のファンドが資金調達で苦戦するのはむしろ好都合」と強気で資金に余裕のある外資ファンドもあり、これをチャンスと捉えてもいる。

国際的なマネーの変調を受け、ファンドの選別が始まりかけている気配が強まっており、不動産ファンド業界は今、転機を迎えてきているのではと感じています。

企業の社債発行急増(その2)

2007/09/20

前回もお話しましたが、企業の社債発行による資金調達が2007年4月〜9月で前年同期に比較して56%増加し9年ぶりに半期5兆円超になる見通しとのことです。
サブプライムローン問題を背景に長期金利急低下が起因している模様です。

一方でエクィティファイナンスは4月〜9月は8000億円程度で前年同期比で59%ほど減る見通しです。これは株式増加による被買収リスクを避けたいという企業の経営側の判断も内在した結果でもあるかもしれません。

いずれにしても、最近の株式市場の混乱で投資家の株式購入意欲の冷え込みと、一方での長期の低コストによる資金調達の機会と機動的に捉えてのファイナンス行動が企業側に顕著に見られているということだと思います。

サブプライムローン問題(その4)

2007/09/17

英国での住宅融資を柱とした中堅銀行ノーザン・ロックのBOEによる緊急救済融資とか米国金融機関の業績減速警戒感等、金融市場の心理が一段と悪化しそうな気配が強まっている。

ここでこれからの事態を考えてみたい。
サブプライムローンにはARMが多いと言われしかもこの秋から住宅ローンは借り換えの季節を迎える。つまり、最も根底のところで破綻は続くということだ。すでにCDOやRMBSの市場は冷え込んでいるから住宅市場そのものもますます冷え込んでいくことになる。信用収縮は続くからファンドの活動は後退する。
米国の住宅バブルが崩壊したときのシュミレーションはいくつか発表されているが日本総合研究所の李氏によれば、住宅価格が30パーセント下落したとすると個人消費はマイナス3.0パーセント、GDP成長率はマイナス2.2パーセントという事態に陥るという。
日本への影響は米国への輸出減少と中国を介しての輸出減少のダブルパンチでやってくることになる。このシュミレーションは野村證券金融経済研究所の木内氏が行っていて米国のGDP成長率が1.0パーセント下がるごとに日本にはマイナス0.83パーセントの影響があるという。李氏と木内氏のシュミレーションを組み合わせればGDPマイナス1.8パーセント強ということになる。

このくらいですめば、まだ幸運というべきかもしれない。
それほど、この問題の先行きには大きな懸念を持たざるを得ないと言える。

金融商品取引法施行へ

2007/09/14

金融商品取引法が9月末に完全施行される。
証券取引法、投資信託法、金融先物取引法など縦割りの法律を統合したものである。
利用者保護のため、元本割れのリスクを伴う金融商品に広告の表示規制等を義務付けたり、投資ファンドの一部も対象に含め、また、全上場企業への四半期決算毎の開示を義務付け、内部統制ルール等も導入するというような内容になっている。

銀行、証券会社等の販売体制の見直し等、各金融機関は法施行に間に合わせるよう準備に忙殺され、一方、上場企業や金融庁も対応に追われている現状である。

金融庁は金商法施行を目前に控えて金融機関からの具体例についての法解釈の問合わせが殺到しているとのことである。
法施行後にトラブルが発生するのを極力少なくし混乱を招かないためにも、投資家保護に十分な備えをし、金融機関が円滑に金商法に対応できるように関係者の努力を望む次第です。

日系平均株価の今後の動向予測

2007/09/13

日経平均株価の今後を推測するのには次のようなポイントから目を離せないと思います。
一つは、もちろんサブプライム問題の行方とその実体経済への波及度合いです。
消費を冷え込ませるほどの影響が出てくるのかどうかです。
二つ目は、円を中心とした為替動向です。
基本的には円高が株式市場にはリスク要因ですが最近の乱高下がどこらあたりで落ち着くのでしょうか。
三つ目は、安倍首相辞任による政局混迷によるところの政治リスクです。
改革路線への後退懸念を市場がどう受け止めるのか相場への影響も気になるポイントです。
最後に、それら不透明要因を外国人投資家がどう情勢判断するのかです。

この1年ほど続いた日経平均株価の停滞感が更に続くのか、あるいは払拭できるような新しい材料が出てくるのか、正念場に来ている感じで受け止めています。

企業の社債発行急増

2007/09/10

企業の社債発行が9月になって急増してきている。
三菱重工1、300億円、HOYA1000億円等先週でも4、200億円が募集開始されている。
7月が6年3ヶ月ぶりに1兆円超の起債となったことに続く勢いである。
8月にサブプライム問題が出て金融市場が混乱し、その結果、長期金利が急低下して企業側の絶対的調達コストが下がり、一方、投資家サイドとして8月の金融市場混乱からスプレッドが拡大したことで投資魅力が高まって来、投資家の買い意欲が回復してきたという要因にもよる。

この環境がどこまで続くかは予測しかねるが、弊社にも外資系証券、国内証券からのDCM担当者の求人が急増してきている状況がそれら活況を端的に示しています。

サブプライムローン問題(その3)

2007/09/09

サブプライムローン問題(その3)

米国労働省が7日発表した8月の雇用統計で4年振りの雇用者数の減少となった。
特に金融業界での解雇が本格化する懸念が強まってきている。
サブプライム問題が雇用に影響してきたとみられ米景気の低下懸念も高まってきた。
住宅市場が冷え込んできており、自動車販売も3ヶ月連続の減少である。
OECDが5日に発表した米国のGDP伸び率を下方修正して0.2%下げ、1.9%としたことから米景気先行き不安が強まってきている。
欧州中銀も利上げを見送り、市場の動揺鎮静に全力を挙げており、米FRBも協調してFF金利の誘導目標を引き下げるとの観測が強まってきている。
こうした中で、グリーンスパン前FRB議長の発言が米ウオ―ルストリートジャーナル紙に最近の市場の動揺について株価が暴落した’87年の「ブラックマンデー」に酷似しているとの見解を表明したりしている。
私も’87年11月のブラックマンデーの日は山一證券にいた時で良く憶えているがちょっとした「恐怖」を思い起こさせるものです。東証での株価はどの銘柄も売り気配で値が付かない状況でしたので思い出すだけでも「恐怖」そのものです。
世界経済への実体的な悪影響が及ぶ前に、サブプライムローンの証券化商品を通じて世界に拡散している損失規模の実態解明により早期に主要市場の混乱が収束されるよう各国の政策及び金融関係者の努力を望む次第です。

サブプライムローン問題(その2)

2007/09/06

米国格付会社のS&Pがサブプライムから組成した住宅ローン担保証券(RMBS)関連の証券化商品195件を、また、ムーディズが691件を格下げした。
証券化は、格付のための統計データが不十分という比較的新しい分野の証券化商品では精度の高い格付けが難しいという構造要因があるとはいえ短期間でこれだけの件数の格下げは明らかに異例だ。
EUは格付会社の調査に乗り出して、また、米議会でも格付会社に対する公聴会や新たな規制を求める動きが表面化してきている。
今まで、機関投資家でも安易に大手格付会社の格付を投資判断の際に重用参考にする傾向があったように思えるが、格付会社側は、格付はあくまで「意見」で、最終的な投資判断は投資家の自己責任との立場であると主張できる。
したがって、機関投資家としても内部に分析力の高い人材を更に育てる必要性を改めて検討し直すべき時かと思える。
今回のサブプライム問題は、格付会社、投資家側双方にとって今後に大きな課題を残したと言えると思います。

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