金融業界Blog

金融業界Blog 金融に関する情報を発信する社長ブログ 東京キャリア・サーチ代表取締役社長 藤原道雄

証券化商品格付問題

2007/10/12

サブプライムローン問題に絡んで私のブログでも何度か取り上げてきているが、証券化商品に対する市場の信認が低下してきていることが懸念される。

格付けが甘かったのではないかとか、投資銀行等との利益相反など格付機関に注がれるまなざしが厳しくなってきている。

米国マーケットではRMBS,MBS、CDO等の格下げが相次いでいるが、日本のマーケットでもS&PがCBO等に対して9〜11段階の格下げを実施し始めており、その影響が気になる。
また、投資家サイドでも複数の格付けが無いものは信用できない等の声も出始めたりしている。

証券化商品の企業財務、投資家への投資チャンスの拡大等を通じてての経済活動への寄与・影響が大きくなってきていることを考えると、格付けに対する格付会社の市場からの信認回復が早急に望まれるところである。

エクイティファイナンス発行状況

2007/10/11

私のブログで社債発行が大幅に増加していることは既に報告している状況です。

一方、エクイティファイナンスによる資金調達はどんな状況になっているかと言いますと、4年ぶりの低水準の発行金額になっております。
今上半期で前年同期比で58%減という発表数字があります。
これは、現在、将来を含めての流動株式数を抑えて敵対的買収を抑制したいという企業が、金利の低下している普通社債での資金調達にシフトしている側面からでもあろうと思えます。
また、今上半期はサブプライムローン問題等での信用収縮懸念から株式市場の不安定、低迷という局面があったことも影響していると思えます。

投資銀行部門でのキャピタルマーケットでもDCMとECMではビジネスの忙しさも収益も大きく相違してきているようです。

金融商品取引法施行へ(その2)

2007/10/10

投資家保護を徹底する金融商品取引法が9月末に全面施行された。

現場にはまだ混乱があるように漏れ聞こえてくる。
例えば、投信販売では、顧客のリスク許容度に応じた販売が求められるため、商品説明や詳細なリスク説明に加え投資目的のヒアリング等で接客時間が大幅に増えたようで、結果として投信販売にブレーキがかかる懸念が生じてきているようである。本末転倒にならないように望む次第である。

また、あるアナリストから聞いたところでは、アナリストレポートへの注書をレポートの文字よりも字体を大きくするよう求められているというような戸惑いもあるようである。
投資家にはレポートを良く読んでもらうことがレポートの本旨であるはずである。
一方では、一種の有価証券とみなされることになった商品ファンドでは「商品50%」規制が外れたことによる柔軟な商品設計が期待される半面、コンプライアンス徹底への対応が喫緊の課題となっている。

いずれにしても金商法の現場での制度定着には暫く時間が必要とされそうである。

M&Aランキング分析(その2)

2007/10/09

先日、2007年1月〜9月のM&Aランキング(金額ベース)が米トムソンフィナンシャルから発表された。

日本のマーケットで外資系、国内系の競争が一段と激化してきている中で上位に国内系がほとんどランクした。特に、野村證券が国内外で大型案件に絡んで、1月〜6月に引き続き、1位を確保しているのが特筆される。ANAホテル、松坂屋ホールディング、三井物産関連の海外案件等々で顕著なものが見られる。

日興シティグループ証券が前年同期に1位であったのに引き続き強みを見せており、また、みずほ証券、三菱UFJ証券、大和証券SMBC等々の国内証券が軒並み上位を占めているのが特徴である。

ゴールドマン・サックス、モルガンスタンレーといった例年の常連が今後年末までに大型案件で大きく盛り返すかが興味深いところである。

不動産市況の不透明感

2007/10/05

不動産会社、REITのPBR1倍割れが増加してきているとのことです。
これは、日銀の9月の企業短観での大企業・不動産企業の業況判断DIが3ポイント悪化の50と2004年12月調査以来の悪化を示したことも大きく関連している。
もちろん、先行き不透明感が広がっている最大の要因は米国でのサブプライムローン問題である。
外国人投資家が自国マーケットの足元が先行き不安があるのに日本への投資を継続するのかという懸念にもよる。

日本の不動産市場はグローバル化、金融商品化が進んでおり影響は小さくない。
ただ、PBRの1倍割れで割安感も強まっているので、「企業価値を考えるとマーケットは悲観的すぎる」との指摘の声もある。

この後の行方が注目される重要な局面に来ているといえましょう。

M&Aランキング分析

2007/10/03

今年前半(2007年1月〜6月)のM&Aアドバイザリーランキングの1位は金額、案件数ともに野村證券であった。順当なところであろうと思える。案件数としては、シティグループ(日興シティ、日興コーディアル証券)、大和証券SMBCと続いている。その後にみずほフィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャルグループ、モルガンスタンレー証券となっている。
それらを分析してみて特徴的なのは、シティグループは金額的にも3位であるが、大和証券SMBCは金額的には10位であるので、案件あたりの金額の差が伺える。モルガンスタンレー証券は1件当たりの金額の多さが目立っている。

金額的な順位としては、GCAが2位になっているのが際立った特徴と言えるが、むしろこの事実は日本のM&Aマーケットで独立系のブティックハウスがこれだけの実績を残すということが、企業買収が日本企業の重要な経営戦略となってきていることを現していると言えるのではないでしょうか。

国際会計基準

2007/09/30

先だって、日本は国際会計基準理事会(IASB)と会計基準を2011年を目途に共通化することで合意しました。
資本市場がグローバル化する中で投資家が財務諸表を比較し、様々な判断ができるようにするのには会計基準がひとつであるべきだという方向に大きく進展したということは喜ばしい。

日本の会計基準も2000年代以降、「税効果会計」や「退職給付会計」の導入などを進めてきていたが今後は「在外子会社の会計方針の統一」とか「企業買収などで生じたのれん代の定期償却廃止」等についても共通化の方向に進んでいくと思える。

米国でも国際会計基準での財務諸表を認めるかの議論が始まっている。
日本が米国にさきがけたということであるが早晩、米国もIASBと合意するとなれば基準共通化はグローバルな資本市場を一層魅力あるものにしていくと期待できる。

証券優遇税制について

2007/09/27

株式譲渡益と配当課税への優遇措置は本来の税率は20%だが2003年の株価テコ入れ政策として、その税率の半分の10%に軽減して現在まで延長されてきている経緯がある。
目先の適用期限が2008年度末までに迫ってきており、その延長問題の行方が注目され始めて来ている。
自民党内には株価とそれによる経済への影響を懸念して優遇税制延長を求める声が強くあるが、現下の参議院での与野党勢力の逆転で方向性に不透明感が増してきている。

かつて、1989年に40000円近くまで行った日経平均株価を顧りみ、現在のその半分まででもない平均株価を考えれば、まだまだ証券優遇税制の株式市場、ひいては経済活動全般への影響の重さから引き続き延長となることを期待するものです。

IPOの現状(今年度上半期)

2007/09/23

今年度上半期のIPO(新規株式公開)のデータを見ると社数が50社と前年同期の83社に比して4割減で、上場後初値が公募価格を下回った会社が3割で、現在値では6割を超す銘柄が公募価格を下回っている状況である。

ジャスダック、東証マザーズ、大証ヘラクレスといった新興市場が年初来安値を伺う展開となっていることもあり、また、世界的な信用収縮の余波もあり、ある面では仕方ないかなと思うが、問題は市場環境だけではないとも言えそうである。
すなわち、公募価格を決める際の企業側、株主側等の利害関係も絡んでの価格設定の「無理」な側面もあるのではと思える。私も山一證券時代に、IPOの公募価格設定で関係者間での苦労を経験した者としては理解はできるが、主幹事証券の力量が問われる大きな部分であるので投資家の立場も慎重に考慮したものを期待する次第です。

そんなIPO市場で注目されているのが、10月11日に予定される、ソニーフィナンシャルホールディングの上場です。公開規模は3000億円超となり今年最大規模でもありますので、投資家心理の改善につながるような結果になることを切に期待する次第です。

今期、弊社でお世話した公認会計士の方たち数名も現在、大手証券会社でのIPOの現場でご活躍されていることもありますのでIPO相場の改善を心より願う次第であります。

不動産ファンドに転機か?

2007/09/22

大都市部の地価上昇を牽引してきた不動産ファンドの「変調」が目立ってきている。

サブプライムローン問題に伴う信用収縮の余波がジワリと影響してきて銀行の融資姿勢が厳しくなってきており、大手銀行が融資をせず、開発が流れる事例が相次いでいるとのことだ。
金融庁が不動産融資の審査を厳格化していることも銀行の融資姿勢を慎重にしているとのこと。

今後、影響が広がりそうなのが不動産開発で多用されているノンリコースローンだ。
その証券化商品のCMBSへの投資も投資家が慎重になってきており、スプレッドが、じわりと拡大してきているのも懸念されるところだ。

外国人が主要投資家になっているREITも時価総額がピーク比3割減ってきている。
外国人投資家はサブプライムローン問題での信用収縮で、本国で損失を被り慌てて日本のREITを換金売りしているとも推測されている。
ただ、外資の一部では「他のファンドが資金調達で苦戦するのはむしろ好都合」と強気で資金に余裕のある外資ファンドもあり、これをチャンスと捉えてもいる。

国際的なマネーの変調を受け、ファンドの選別が始まりかけている気配が強まっており、不動産ファンド業界は今、転機を迎えてきているのではと感じています。

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