金融業界Blog

サブプライム危機はまだ序の口か

2008/02/05

サブプライム問題がいっこうに収束の気配をみせない。というのも外資大手金融機関についてはSWFを中心とする資金供給によって資本増強を行い、落ち着きを見せたが、既に次への不安から金融市場の乱高下が続いている。

まず、サブプライムローン損失による米国大手金融機関以外の金融機関の破綻リスクである。
これまで損失を発表した金融機関は外部から資金を調達し、損失をカバーできる大手金融機関が中心であり、逆に言えば発表しても大丈夫な金融機関ばかりなのである。
かつての日本の金融危機がそうであったように、発表したら最後、誰からも救済はなく、倒産するのみであるので、損失を「飛ばし」ているヘッジファンド、欧州を中心とする中規模の金融機関が実はまだ相当数隠れているのではないかという疑惑である。彼らが購入している一見高格付けの債券も、その実、モノラインの保証に依存したものであり、そのモノラインが経営危機に陥ってしまえばドミノ倒し的に損失が広がる。そして、そこで破綻する金融機関がSWFからの救済というウルトラCの対象になる可能性は皆無である。ツケは後に払うものほど高くつくのである。

さらに、サブプライム危機が他の高リスク投資へ飛び火しつつある。サブプライムローン市場の実態を見て高リスク投資一般に投資家は恐怖を感じ始めている。住宅市場だけではなく商業不動産へのリスクへの不安が広がりつつある。不動産市場だけでなくM&A市場にも懸念が広がっている。買収ファンドのLBO向けの低格付け社債は、いったん大手投資銀行が引き受けた後、機関投資家にバラして販売してリスクを分散するスキームがとれている。しかしながら、サブプライムローンに恐れをなした機関投資家がこうした債券への投資を手控えており、投資銀行が不良在庫として抱えつつある債券が実に2000億ドルに上がるとの資産もある。

金融市場を通じて、ここまで信用不安、経済の先行き不透明感が高まってくると、実体経済への影響は避けられない。デカップリング論が強いインド株の暴落、あるいは、これまで実体経済についての影響を楽観視していたFRBも景気の減速を強く気にし始め、0.75%及び、0.5%と連続して緊急利下げをする事態に直面している。これら利下げは行き場を失ったマネーが商品市場に流入という昨年の流れの復活の懸念にもなる。

こういう環境のもとでは、世界経済、特にアメリカ経済への依存度が高く原料高で国内消費も苦しい日本企業の先行きにも不透明感が強く株価は13000円台を一時期割ることとなった。構造改革の遅れ、政治の機能停止、日銀総裁選びへの懸念等々で足の速い資金は日本を見捨てつつもある。

いろいろと見てみると「サブプライム危機はまだ序の口か?」という強い懸念を持たざるを得ない。


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