外国人投資家の日本株買いが鮮明に(持たざるリスクを意識か)
2008/05/07
日本株の上昇に勢いがついてきた。
2日の東京株式市場で日経平均は終値で14000円を回復し7日(12:40現在)でも14000円台を維持している。終値では1月11日以来、約4ヶ月ぶりの水準まで戻した。株価の牽引役とみられているのが海外勢だ。金融市場の問題が最悪期を脱したとの見方が広がってきており買い戻しが活発化してきているほか、日本株を「持たざるリスク」も意識され始めているようだ。
東証が2日にまとめた4月の3市場投資主体別売買動向によると、外国人は、8204億円の買い越しとなり最大の買い主体となった。昨年11月から5ヶ月続いた大幅な売り越し基調に歯止めがかかったことになる。
海外勢による日本株買いの多くは、買戻しとみられている。サブプライムローン問題に端を発する信用収縮は世界景気の減速懸念からリスク資産を圧縮する動きが広がり、外国人は2007年8月から今年3月までに日本株を約4兆円売り越した。昨年夏場以降の世界の主要市場の中で、日本株のリターンはとりわけ低調だったため、多くの海外ファンドは日本株の組み入れ比率を引き下げてきた。
しかし、年初からの日本株のパーフォーマンスは必ずしも低調ではない。
米ダウの年初から5がsつ1日までの下落率1.8%に対し、日経平均は年初から2日終値までで、7.3%と表面上は下げ率が大きいものの、ドル建て日経平均(日経平均を円レートで除す)でみれば、約2.2%の下落となり、米国株と大きなパフォーマンスの差はない。「日本株のアンダーウエートを維持するとグローバルのベンチマークに勝てない。運用競走場の「持たざるリスク」が日本株買い戻しを誘発している。ファンダメンタルズを評価しているというより、買わざるを得なくなっているファンド勢が多いのではないか」との指摘が出ている。
ただ、「海外勢が日本株をアンダーウエートからニュウトラル方向にウエート調整しているのは事実だが、一段と買いあがるかは疑問」という声も強くある。「海外投資家のパニック的な心理は落ち着いたが、現時点で日本株を前向きに評価しているわけではない。ここから買い増しを期待するには国内から海外にアピールする材料が不可欠だ」と話し、手放しでの楽観的見方には懸念と否定的見解を示す声も強い。
投資家心理の落ち着きを示しているのが、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場の動きだ。
日本で指標となる、iTraxxJapanシリーズ9<ITXCK5JA=GF1>のプレミアムは2日午前、1日から10bpの急低下となる70bpちょうどで取引され、4月28日に付けた直近の最低値73bpを更新した。
過度な信用不安は後退しつつあるが、欧米金融機関の資本が大幅に毀損したことに加え、今後は、景気後退に伴うローンの損失等も懸念されている。金融市場の機能が正常化するには時間がかかるとの見方は少なくない。
「当面は買い戻し中心だろう。日本のクレジット市場はスプレッドが50bp程度が通常の状態。更に改善しない限り、リスク資産は流入しにくい」と指摘されてもいる。株式市場は最悪期を脱し、下値不安は低下したと判断できるものの「日本の企業業績に対する悲観的な見方が続くほか、米国の経済指標悪化によるドル安リスクがくすぶっており、今後2〜3ヶ月以内に再度、日本株買いのチャンス(株価の下落局面)が訪れる」とみるマーケット関係者も多い。
すなわち、日本株への本格投資の局面は、海外投資家も含めてまだ気迷い局面を脱していないといえるのではなかろうか。


















