金融業界Blog

政策と経済と株価

2008/04/29

日経平均株価が昨日28日にザラ場で14000円台をつけたということで市場に安心感が出ているというが、笑止千万である。
’90年代に株価が低迷した時に、ダブル底で14200円をつけた時は経済見通しが最悪で、株式市場は総悲観論であった。その水準にさえ回復していない日経平均株価水準である。
今、225種平均PERは16倍弱、全銘柄平均PBRは1倍を切っている状況である。すなわち、株価、経済の定性的先行見通しがその程度に低いのである。PERは少なくとも20倍、PBRも1倍を上回っているのが常識的であることから考え株価の定性見通しを分析するなら今の株価の20%を上回った水準にはあるべきであろう。すなわち、日経平均株価は、17000円程度は維持していて不思議ではない。
その株価を14000程度までに引き下げてている主な要因は政府の政策、というよりも官僚の言いなりになっている与党の政策決定メカニズムにあると言える。明日にも予定されているガソリン税の暫定税率復活を盛った租税特別措置法改正案の衆院での再可決などは最近の物価上昇に輪をかけるほどの暴挙とも言えるものである。2兆6000億円の増税に等しいものである。消費意欲を低下させ、経済への悪影響を生じさせ、株式市場に投資資金がまわってこない要因になる。

政策ミスによる経済への悪影響ははなはだしいものがある。枚挙にいとまない。
昨年12月4日付けでのこのブログで警鐘を鳴らしているが、その内容を再度下記のとおりご紹介するので良くお読みいただきたい。

<2007年12月4日付けブログ>
「特定商取引法」「改正貸金業法」「金融商品取引法」「改正独占禁止法」「改正建築基準法」と、このところの法改正にはすさまじいものがある。来年1月には「割賦販売法」「特定商取引法」の改正案の国会提出も予定されている。「こうした矢継ぎ早の法改正は経済成長にとって大きな足かせ要因で、まさに行政不況の様相を呈している」(大手証券アナリスト)。サブプライム問題、円高、原油高等日本経済を取り巻く環境が厳しさを増す中、「このままでは景気は真っ逆さま」(大手シンクタンク)との悲観論も浮上している。

前年9月比の新設住宅着工戸数は44%減とこの37年間で最悪の数値を示した。
特定商取引法を契機とした英会話学校やエステチックサロン、貴金属、呉服などのユーザーに対する信販・クレジットの絞込みは想像以上のものがあり、関連業者は瀬戸際に立たされている。
9月末に施行された金融商品取引法ではファンド規制による不動産業界へのダメージが気にかかる。
消費者金融業界のみならず信販、クレジットカードという個人向けローン市場に壊滅的な大淘汰を迫っている改正貸金業法。

もちろん、こうした法改正は消費者保護や透明性の確保、業界の新たな枠組みの構築、そして反社会的勢力の排除のためには当然の流れである。
とはいえ、法改正に伴う明確なセーフティネットや新たな需要創造策が提示されないまま、荒治療が断行されれば結局は個人、中小零細企業、地方にしわ寄せが及ぶことになる。
しかも、法改正は、なんと反社会的勢力の増殖という本末転倒の事態まで招いてきている。

いずれにしても、消費者保護、反社会的勢力の排除を錦の御旗とした一連の法改正によって、霞ヶ関が産業界の生殺与奪を握ったことは確かである。「裁量行政」から「ルール行政」へ転換すれば、監督不行き届きを責められる危険性は減じる。金融庁、経済産業省には「新たな利権(天下り等)」の確立という隠れた至上命題もちらつく。「法改正」はその有効な仕掛けとなる。

いずれにしても、このような状況が放置されるならば、来年、日本経済は予測も出来ないような暗い闇に突入する強い懸念がある。


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