来週、及び今後の東京株式市場
2008/10/18
来週の東京株式市場は引き続き不安定な展開となる見通しだ。世界的な景気後退懸念が市場を覆っており神経質な状況が続いている。公的資金注入など各国が金融問題に対して惜しみない政策を矢継ぎ早に打ち出したことでいったんの底値を付けたとの見方もあるが、景気や業績の不安から株価の反発力は鈍い。「一触即発」の不安定さが残っておりちょっとしたサプライズで崩れるもろさをはらんでいる。
日経平均の変化幅が1000円を超えた日が2日もあったためボラタイルな印象が強まったが、下値は10日の8115円を底に4日連続で切りあがっている。7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)で国際協調体制が確認され、各国で金融機関への公的資金注入など具体策が示されると金融不安はいったん後退。市場では「16日の大幅な下げでもザラ場安値は切らなかった。米ダウ.DJIも10日を底値にしている。いずれ再び崩れる可能性はあるが、いったんは一番底を付けたとみていいのではないか」(国内証券トレーダー)との声が出ている。
米半導体大手インテルやインターネット検索サービス大手の米グーグルの決算が比較的堅調だったことも「米経済の懐の深さを示している」(国内証券投資調査部)と安心感を誘っている。
だがいったんは底を付けたとみる市場参加者も、サプライズが起きないという条件付きだ。実体経済の急激な悪化や大手企業などの破たんがあれば市場センチメントは一気に崩れる可能性がある。それだけ、まだ根強い不安定要因を抱えている。
マーケットの目は金融問題から実体経済の悪化に向っており、1929年の大恐慌との比較が口々に語られている。9月米鉱工業生産指数が1974年以来の大幅な落ち込みとなり、10月米フィラデルフィア地区連銀製造業業況指数が1990年10月以来の低水準となるなど、いくつかのマクロ経済指標は何年ぶりのレベルまで低下している。この10年程度には無い状況である。マクロ経済への大きな不安を感じる。
三菱UFJ証券・投資情報部長の藤戸則弘氏は「日本の大企業・全産業でみると1991年よりも92年、93年の方が減益率は大きかった。2010年3月期がどの程度の減益になるかを今後みていくことになろう」と来期以降への懸念を示す。今回の景気悪化は一国だけではなく世界全体で起きているため「逃げ場」がないことも深刻な景気後退をもたらす可能性があるという。
投資家の不安心理を映すシカゴ・オプション取引所(CBOE)ボラティリティー指数は16日時点で67.61ポイントと高止まりの状態だ。
来週はマクロ経済指標の発表や金融機関の決算発表が一巡し、事業会社の決算発表が本格化する。20日にはテキサス・インスツルメンツ、21日には米アップル、米ヤフー、キャタピラー)、22日はボーイング、米マクドナルド、23日は米マイクロソフトが予定している。
「大手企業の破たんがあれば市場は不安心理にかられ再び大きく下落する可能性がある」(準大手証券トレーダー)ため、今まで以上に注目が集まっているという。
日本政府は1990年代後半に多くの銀行に資本注入したが、その後、数年は実は銀行も金融マーケットも日本経済も立ち直っていなかった。りそな銀行に2003年に公的資金を注入してから初めてマーケットが立ち直ってきたのである。すなわち、資本注入にあたっての資産査定をいい加減にして実施したのでは、そのように効果を発揮しないのである。今の欧米各国は資産査定も精査なく資本注入したのであるが、果たしてどのような効果が出てくるのかはかなり疑問である。その結果、各国の株式市場が本格的に上昇に向かうのであろうかに本質的疑問を抱く。
日本経済は、今後、かなりの悪影響が顕在化してくると思う。
日経ダウも少々の反発は繰り返すであろうが、結局そのような程度であれば、実体経済を反映した株価は、多分、今後数か月内で、6000円台まで落ちこむ恐れを私は強く懸念している。


















