米国へ押し寄せる「SWF」(ハゲタカか救世主か)
2008/03/03
不況が間近に見え隠れする米国市場に国外からの投資マネーが増大している。
原油価格の高騰と主要通貨に対してほぼ全面的なドル安が続く中、米国に再び世界のカネが集まり始めている。金融関係者ならずとも米国経済の瓦解の憂慮は深刻であり、サブプライムローンに端を発する金融危機が信用不安を加速させている最中に、資金流入が増える現象に首を傾げる向きもある。
実は昨年の米国への直接投資額は2006年比で約90%増の4140億ドルに達して、ポートフォリオ投資を含めた米国への投資額は2兆ドルを超え、その一大勢力が「SWF」である。
米国からすれば、昨年からの不安定な金融市場において、SWFほど安定した資金供給元はない。
だが、SWFは米国内からの反発も受けている。
民主党のエバン・バイ上院議員は「SWFは本質的に一般の民間投資とは異質のものだ。政府が管理するファンドである以上、利益追求以外に国益がからむ可能性がある」と警戒心を解かない。
一方、ヘンリー・ポールソン財務長官は、1月23日に、SWFについて「国外からの投資は米国経済の力強さと維持するうえで重要な役割を担っている。これは彼らが米国経済にどれだけ期待しているかのシグナル」と肯定的な見解を示した。さらに、ローレンス・サマーズ元財務長官も「過去数カ月のSWFの取引で批判の対象になることはほとんどない」とまで言った。
彼らの資金は今後も米国市場に怒涛のように流入するとみられる。
昨年の米国直接投資額のトップは隣国カナダの650億ドルで、2位以下にはイギリス、オーストラリアと先進国が続くが、6位にはアラブ首長国連邦が入る。7位にはサウジアラビア、12位に韓国、中国は14位にランクされている。かつては米国への直接投資でアジアのトップだった日本は15位内にない。
日本政府はSWFをまだ公式にスタートさせておらず、米国への投資では途上国の後塵を拝したままである。


















